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生活習慣病

Lifestyle Disease

生活習慣病|あさひ脳神経内科・精神科クリニック|旭区二俣川の内科・脳神経内科・心療内科・精神科

生活習慣病とは

生活習慣病

生活習慣病は、生活習慣が原因で発症する病気の総称です。運動不足や不適切な食生活、過度な飲酒、喫煙やストレスなど、習慣や環境が深く関与し、これらが積み重なることで発症します。
日本人の三大死因は、がん、心疾患、脳血管疾患ですが、これらの危険因子となる肥満症、動脈硬化症、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などはいずれも生活習慣病とされています。生活習慣病の多くは自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行し、脳や心臓、血管などにダメージを与えていきます。その結果、ある日突然、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞など、命に関わる重篤な症状を引き起こすことがあります。
健康診断などの一般的な検査によって早期発見が可能です。決して安易に考えず、検査値に異常がある場合や少しでも不安を持たれたときは、お早めにご相談ください。

当院の生活習慣病診療の特徴

生活習慣病はほとんど無症状で経過することが多いため、薬をできる限り飲みたくない、病院を受診するのは面倒くさいと考え、治療に至らないケースが多いと思われます。また自分はまだ若いからと言って、異常な値を放置している人が多いのではないでしょうか。
しかし、生活習慣病は血管などへのダメージが蓄積した結果、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞へと発展します。高血圧症では、30歳代で脳出血を起こし、麻痺が残っている患者様を度々経験します。大きな後遺症を残さないためにも、一次予防が非常に大切です。
当院では薬物治療はもちろん食事療法などについても簡単に指導を行っていきます。最初は運動療法や食事療法の指導を行い、採血や診察などで評価を行い、薬物治療を行うか判断していきます。人間ドックや健康診断で異常値を認めた場合、将来の自分のために積極的に病院へ相談するようにしましょう。

代表的な生活習慣病

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム

① 内臓脂肪蓄積
ウエスト周囲長 男性 ≧ 85㎝
女性 ≧ 90㎝
内臓脂肪面積
(CT検査で算出)
男女とも ≧ 100㎝²
(*ウエスト周囲長より推奨)
② 高トリグリセライド血症(TG) TG ≧ 150㎎/dl
かつ/または
LDLコレステロール ≦ 40㎎/dl
③ 収縮期血圧 収縮期血圧 ≧ 130㎜Hg
かつ/または
拡張期血圧 ≧ 85㎜Hg
④ 空腹時血糖値 ≧ 110 ㎎/dl

上記①かつ②~④のうち2項目以上をメタボリックシンドロームと定義されます。

糖尿病

糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンの作用が不十分なために血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が正常範囲を超えて高くなる病気です。糖尿病は4つのタイプに分類され、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるものがあります。日本人では2型糖尿病が圧倒的に多く、その発症にはインスリンの分泌不足といった要因に加え、過食、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣が関係していると言われています。
糖尿病は初期症状が乏しく、目立った症状が現れることなく進行することが多い病気です。口渇(喉が渇く)、多飲(喉が渇くために水分を多く摂る)、多尿(尿の量が増える)、体重減少といった自覚症状が現れたころには、ある程度進行してしまっていることもあります。さらに、病気が進むと三大合併症と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を発症して、末期には失明したり、透析治療が必要になったりすることもあります。また、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こす可能性も高まります。そのため、早いうちから、血糖値をコントロールすることが大切なのです。
糖尿病の診断は、症状の有無、ヘモグロビンA1cの値、血糖値を総合的にみて診断していきます。

ヘモグロビンA1c(HbA1c)

血糖値が高くなるとブドウ糖が赤血球の中のヘモグロビンと結合します。これがヘモグロビンA1cと呼ばれるもので、血糖値が高いほどヘモグロビンA1c値も大きくなります。過去1~2ヶ月間の血糖の状態を示す値で、糖尿病の合併症の進行と深く関係しているとされています。当院では院内採血で確認が可能です。

早朝空腹時血糖値

8時間以上絶食後の早朝に採血したときの血糖値。

随時血糖値

食事の時間と関係なく採血したときの血糖値。

糖尿病の予防、あるいは進行を遅らせるためには、生活習慣を見直すことが大切です。糖尿病の発症を未然に防ぐ1次予防、発症したとしても血糖コントロールを良好に保つ2次予防、さらに合併症の発症を回避する3次予防、これらはすべて生活習慣の改善が重要となります。

高血圧症

血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことで、高血圧症は、正常範囲よりも高い血圧が続く病態を言います。
血管の内壁は本来弾力性がありますが、血圧が高い状態が続くと血管の壁に圧力が掛り、次第に厚く、硬くなります。これが高血圧による動脈硬化です。また、血管に弾力性があるときは、血圧は基準値以下に収まりますが、動脈硬化などで血流が悪くなるとそれを補うために心臓がより強い力で全身に血液を送ることで血圧が上がります。こうした悪循環が常態化してしまうのが高血圧症です。
高血圧には、他の疾患や薬剤の副作用が原因で起こる二次性高血圧と、原因のはっきりしない本態性高血圧がありますが、日本人の高血圧症の約90%が本態性高血圧と言われています。本態性高血圧は、遺伝的要因と塩分の過剰摂取や肥満、過度な飲酒、喫煙、運動不足、精神的なストレスなどの環境的要因が重なって発症すると考えられています。
高血圧症は自覚症状に乏しく、なかなか気づくことができませんが、そのままにしておくと、動脈硬化を生じて心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気をまねいたり、脳出血・脳梗塞の原因になったりします。症状がなくても放置しておくことは禁物です。まずは、定期的かつ決まった時間に血圧を測定してご自身の血圧を管理しましょう。継続的に行う適度な運動、食生活を中心とした生活習慣の改善が予防と治療に有効です。

高血圧の診断基準(日本高血圧学会)

  • 収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上
  • 拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上

※ご自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準となります。

治療目標

75歳未満の成人、脳血管障害(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし)、慢性腎臓病(尿蛋白陽性)、糖尿病、抗血栓薬服用者

  • 収縮期血圧(最大血圧)が130mmHg(家庭で測定:125 mmHg)以下
  • 拡張期血圧(最小血圧)が80mmHg (家庭で測定:75 mmHg)以下

75歳以上の高齢者、脳血管障害(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり)、慢性腎臓病(尿蛋白陰性)

  • 収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg(家庭で測定:135 mmHg)以下
  • 拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg(家庭で測定:85 mmHg)以下

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を言います。「悪玉コレステロール」と言われるLDLコレステロールや血液中の中性脂肪(トリグリセライド)が必要以上に増えたり、あるいは「善玉コレステロール」であるHDLコレステロールが減ったりする病態です。これらの脂質異常はいずれも、動脈硬化の促進と関連します。血液中にLDLコレステロールが増えると、血管の内壁が傷つき沈着してこぶを作り、血管が硬くなります。これが動脈硬化です。中性脂肪(トリグリセライド)も過剰になると、血管の健康が損なわれます。一方、HDLコレステロールは、色々な臓器で使いきれずに余ったコレステロールを回収し肝臓に戻す働きがあり、動脈硬化を抑える方向に作用します。つまり、動脈硬化の予防や改善にはLDLコレステロールと中性脂肪を減らし、「善玉」のHDLコレステロールを増やすことが重要になります。
脂質異常症は、それだけではとくに症状が現れることはありませんが、気がつかないうちに血管が傷つけられ、静かに動脈硬化が進行し、脳や心臓の疾患につながる恐れがあります。脂質異常症の主な原因は、食生活(肥満・カロリー過多)や過度な飲酒、喫煙、運動不足などが考えられます。
治療は通常、食事療法と運動療法からはじめます。薬物療法は、これらを行っても脂質管理の目標値が達成できなかったり、持っている危険因子が多く、動脈硬化や動脈硬化による疾患を起こすリスクが高かったりする場合に開始されます。

高尿酸血症

高尿酸血症とは血液中の尿酸が7.0mg/dlを超える病態を言います。痛風や腎結石、尿路結石の原因になる他、肥満や高血圧、脂質異常症、糖尿病を複合的に合併することが多いと言えます。
血液中の尿酸が高い状態が続くと、尿酸の結晶が関節にたまり炎症が起きてきます。これを痛風といい、足の親指の付け根などに生じやすく、痛風発作はあまりの痛みで足を引きずってしまうこともあります。
痛風発作は消炎鎮痛剤などの治療で、1週間~10日ほどで落ち着きますが、治療を中断してそのまま放置すると、関節炎による結節(コブのようなもの)ができたり、腎機能障害や尿路結石のリスクを高めたりします。尿酸の結晶は、血清尿酸値が6.8mg/dl以上で形成されると言われていますので、6.0mg/dl以下に保つことが治療目標となります。まずは原因となる生活習慣がないかを確認し、運動習慣や食生活を改善していくことが大切です。

脂肪肝/非アルコール性脂肪性肝疾患(MASLD)/非アルコール性肝炎(MASH)

非アルコール性脂肪性肝疾患(MASLD)とは1日の純エタノールが男性の場合、30ℊ未満、女性の場合20ℊ未満の人で脂肪が蓄積し、脂肪肝になることを言います。具体的には1日当たり、ビール750ml or 日本酒1.5合 or ワイングラス2.5杯 or ウイスキーダブル1.5杯となります。原因としては肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧があり、メタボリックシンドロームが原因と考えられています。
有病率は9~30%で、日本では全国で1000万人以上いると言われています。80~90%は脂肪肝のまま経過しますが、10~20%は肝臓の線維化が進み、非アルコール性肝炎(MASH)となることで、肝硬変や肝細胞がんを発症することがあります。MASHの有病率は3~5%と言われており、肝硬変の2.1%の原因を占めると言われています。
脂肪肝は自覚症状がほとんどないため、MASHを経て肝硬変に進行した段階で、黄疸(体が黄色くなる)や足のむくみ、腹水などがあらわれます。つまり、適切な評価を行って治療を行うことで、肝硬変や肝細胞がんへのリスクを下げることができます。
健康診断で肝機能の数値が高い方はご相談ください。

慢性腎臓病(CKD)

腎臓は体の老廃物を除去する、体の水分、ミネラルのバランスを一定に保つ、血圧をコントロールする、血液を作るホルモンの分泌、骨の健康を維持するビタミンを作るなどの重要な機能があります。慢性腎臓病になることでこのような機能が低下し、様々な症状が出現します。喫煙者や高血圧症、糖尿病などの基礎疾患やメタボリックシンドロームもリスクとなります。原因として多いものには糖尿病による糖尿病性腎症、次いで糸球体腎炎、高血圧による腎硬化症、高尿酸血症による痛風腎などがあります。
慢性腎臓病(CKD)かなり進行するまで症状に気が付かないことが多く、「沈黙の病気」と言われることがあります。症状としてはだるさや食欲低下、疲れやすい、吐き気、手足のむくみ、夜間の尿量が増える、皮膚がかゆい、高血圧症などが認められます。腎臓の機能が極端に下がると、本来は尿と一緒に排泄される毒素や老廃物が血液の中にたまり、意識障害や頭痛、だるさ、呼吸困難などの症状が出現したり、腎性貧血を起こします。また、末期腎不全になると人工透析が必要となります。病状を進行させないためには、普段からの生活習慣に気を付ける必要があるため、早めに受診し相談をしましょう。

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