内科

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〒241-0821神奈川県横浜市旭区二俣川
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内科

Internal Medicine

内科|あさひ脳神経内科・精神科クリニック|旭区二俣川の内科・脳神経内科・心療内科・精神科

内科について

診察風景

内科では、日常生活の中で比較的遭遇しやすい急性症状や慢性疾患の継続的な治療とコントロールを行っています。
主に咳、発熱、インフルエンザ、肺炎、糖尿病、高血圧、脂質異常症、貧血、高尿酸血症、痛風、花粉症・アレルギー性鼻炎、気管支喘息、不整脈、動脈硬化など内科一般の診察を行います。

また、専門的な高度医療が必要な場合は、専門の医療機関へご紹介し適切な治療を受けていただけるようにする役割も担っています。以下に内科でよく見られる症状を挙げています。複数の症状が出ていて「何科を受診したらよいかわからない」といった場合など、お悩みの際はお気軽にご相談ください。

ここでは代表的な疾患を簡単にご説明します。

生活習慣病の運動療法

  • 運動は食直後を避け、食前または食後2時間以降に行う。
  • 10分間の運動から始める。
  • 猛暑や厳冬季は外での運動は控えて、ベンチステップ運動を行う。

ベンチステップ運動とは…

高さ20cmの台を利用して右足→左足の順に足を乗せて台を上ります。その後に左足→右足の順に下ろして下ろします。
時々左右を入れ替え、これを繰り返し行う運動のことです。

*METsとは安静時(静かに座っている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。
歩く・軽い筋トレをする・掃除機をかける・子どもと遊ぶなどは3メッツ程度、やや速歩・通勤で自転車に乗る・階段をゆっくり上るなどは4メッツ程度、ゆっくりとしたジョギングなどは6メッツ、エアロビクスなどは7メッツ、ランニング・クロールで泳ぐなどは8メッツ程度が目安になります。
下記を参考にして運動をするようにしましょう。

  • 3メッツ以上の有酸素運動を定期的に毎日合計30分以上行う。
  • 30分以上の運動を毎日続ける(最低週3日は実施)のが望ましい。
  • 10分間の運動を3回実施など短時間の運動を数回に分けてもよい。

参考文献:日本動脈硬化学会『脂質異常症ガイド2018年版』より抜粋

高血圧症

血圧計

日本高血圧学会では上の血圧である収縮期血圧(心臓が収縮したときの血圧)が140mmHg以上、または下の血圧である拡張期血圧(拡張したときの血圧)が90mmHg以上を高血圧としています。そのまま高血圧の状態にしておくと脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし、脳卒中や心臓病、腎臓病などの重大な病気を発症する危険性が高まります。
日本人の高血圧の約8~9割が本態性高血圧(原因をひとつに定めることのできない高血圧)で、遺伝的素因(体質)や食塩の過剰摂取、肥満など様々な要因が組み合わさって発症します。中年以降にみられ、食生活を中心とした生活習慣の改善が予防・治療に非常に大切です。

高血圧症のリスクはなんですか?
① 心筋梗塞の死亡率が約3倍になる。
② 脳梗塞・脳出血などの脳卒中の死亡率が3~4倍になる。
③ 脳出血の発症率が2~4倍になる。
高血圧症の診断基準は自宅と病院でどう違うのですか?
診察室での血圧が120/80㎜Hg未満が正常となります。
高血圧症とは、自宅での血圧が135/85㎜Hg以上、診察室での血圧が140/90㎜Hg以上と定義されています。
白衣高血圧ってなんですか?
診察室での血圧が140/90㎜Hg以上で、自宅での血圧が135/85㎜Hg未満となっている場合を指します。
高血圧症の患者様の15~30%を占め、脳心血管イベントリスクが高いと言われており、注意が必要です。
血圧を測るタイミングはいつがいいですか?
朝(起床後)1時間以内、就寝前に座って1~2分してから測定するのが望ましいです。
原則2回測定し、最低5日間、理想は7日間の平均血圧で判断するのが望ましいとされています。
塩分摂取の日本人の平均はいくつですか?
日本人の1人1日当たりの食塩摂取量は平均9.9gと言われています。
高血圧症を予防するためには健康日本21では男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満で摂取することが推奨されています。
治療は必要なのでしょうか?
治療を行うことによって様々な疾患のリスクが減少すると言われています。
収縮期血圧(上の血圧)が10㎜Hgまたは拡張期血圧(下の血圧)が5㎜Hg下がることで、各々の主要血管イベントで約20%、脳卒中で30~40%、心筋梗塞などの冠動脈疾患で約20%、心不全で約40%、死亡率で10~15%と減少することが分かっています。
このことから高血圧症の治療の重要性がわかると思います。
血圧はどのくらい下げればいいのですか?
診察室での血圧が130/80㎜Hg未満、自宅での血圧が125/75㎜Hg未満となります。
75歳以上の高齢者や頸部や頭部の血管に狭窄のある脳血管障害、慢性腎疾患(尿蛋白陽性)を罹患している方に関しては、診察室での血圧が140/90㎜Hg未満、自宅での血圧が135/85㎜Hg未満となります。
つまり、高血圧症の経過観察では診察室での血圧と自宅での血圧を両方確認する必要性があります。
どう治療すればいいのですか?
適正体重の維持、持続的な有酸素運動、節酒、禁煙などがあります。そして一番大事なことが『塩分制限6g/日未満』です。これはガイドラインでも強く推奨されています。
薬物治療としてはカルシウム拮抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体阻害薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)、β遮断薬、サイアザイド系利尿薬があります。
これらを基礎疾患に合わせて、1種類から開始し、基礎疾患に合わせて複数の種類を併用して治療を行います。

参考文献:日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2019』より抜粋

糖尿病

糖尿病

糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、十分に働かないために血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるものの4つのタイプに分類されていますが、日本人で圧倒的に多く、生活習慣病の一つとされているのが2型糖尿病です。その発症には、インスリンの分泌不足といった要因に加え、過食、運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣が関係しているといわれています。
糖尿病を発症し進行すると、神経障害、網膜症、腎症など様々な合併症を引き起こすことがあります。糖尿病を予防するため、あるいは進行を遅らせるために生活習慣を見直すことが大切です。

糖尿病の診断はどうなっていますか?
空腹時血糖値≧126㎎/dl、ブドウ糖負荷試験2時間値≧200㎎/dl、糖尿病の指標となるHbA1c≧6.5%を2回以上認められれば、糖尿病と診断します。
正常は空腹時血糖値110㎎/dl未満かつブドウ糖負荷試験2時間値140㎎/dl未満を満たす方です。
上記2つに当てはまらない方を境界型糖尿病と判断します。
糖尿病の1型と2型ってなんですか?
糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。
1型糖尿病は自己免疫を原因とした糖尿病です。血糖値が上昇した際に血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されます。これによりインスリンが欠乏して発症する糖尿病を1型と言います。
2型糖尿病とはインスリン分泌の不足やインスリン抵抗性をきたす遺伝素因に加え、過食や運動不足などの生活習慣、肥満が加わり、インスリンの作用不足が発生して発症する糖尿病のことを言います。
治療ってどの段階で始めるべきですか?
インスリン依存状態にある方は直ちにインスリン療法が必要となります。インスリン依存状態とはインスリン投与を行わないと重篤な状態となり、命に危険性が及ぶ状態のことを言います。
この場合や1型糖尿病の場合は糖尿病専門医の治療が必要になるため、ご紹介させていただきます。
また、随時血糖が250~300㎎/dl以上の場合は最初から血糖降下薬やインスリン療法などの治療に加え、食事療法や運動療法を開始する必要があります。逆に随時血糖が250~300㎎/dl以下の場合は、生活習慣の改善を中心に食事療法や運動療法を行います。
約2~3ヶ月間経過をみて、目標の血糖値を達成できない場合は薬物治療が必要となります。
血糖コントロールの目標はいくつですか?
血糖正常化を目指す際の目標としてHbA1cが6.0%未満、合併症予防のための目標値としてHbA1c 7.0%未満、治療が困難な場合はHbA1c:8.0%未満となっております。
当院では当日院内採血でHbA1cを確認することが可能なため、その場で薬物調節が可能です。
体重はどこまで減らせばいいですか?食事療法はどうすればいいですか?

BMIという指標があり、以下の計算で標準体重を算出します。
① 65歳未満:[身長(m)]²×22kg
② 65歳~:[身長(m)]²×22~25kg

エネルギー係数(Kcal/ Kg)
① 軽い労作(大部分が座位の活動):25~30kcal/kg
② 普通の労作(通勤・家事、軽い運動をする):30~35Kcal/kg
③ 重い労作(力仕事、活発な運動習慣がある):35Kcal/kg

ご自身がどのエネルギー係数に該当するかを確認してください。
その上で下の計算式で守らなければいけない一日の総カロリー数を計算します。

総エネルギー摂取量(Kcal/日)=標準体重(kg)× エネルギー係数(Kcal/kg)

3食のカロリーの合計をこの総エネルギー摂取量に抑えることが重要となります。

運動療法はどうすればいいですか?

有酸素運動を
① 中等度(最高心拍数の50~70%)。
② 一日合計20~60分または週150分以上。
③ 週3回以上。
④ 運動しない日が2日間以上続かないように行います。

一回の運動は10分以上から始め、最終的には10~30分以上行うのが良いとされています。
遺伝素因、食習慣の欧米化、運動不足、肥満(特に内臓脂肪型)などを原因として発症します。また喫煙による善玉コレステロールの低下もあります。

治療薬にはなにがありますか?
① スルホニル尿素(SU)薬 膵臓の細胞に作用しインスリンの分泌を促す薬剤です。
低血糖発作を起こしやすいので注意が必要です。
② ビグアナイド薬 肝臓からブドウ糖の放出を抑制したり、末梢の組織のインスリンの感受性を上げたりすることにより効果を発揮させる薬剤です。
③ αグルコシダーゼ阻害薬 腸管での糖の分解を抑制して吸収を遅らせる働きがあります。
食直前に内服するので、食後の高血糖や高インスリン血症を抑えることができます。
副作用として下痢、放屁があるので注意が必要です。
④ チアゾリジン薬 末梢の組織でのインスリンの感受性を高め、肝臓からの糖の放出を抑制する効果がある薬物です。
⑤ 速効型インスリン分泌促進薬 インスリンの分泌を速やかに促進し、食後の血糖値を抑える薬剤です。
短時間で効果がなくなるため、SU剤と比べ低血糖の副作用が少ないです。
⑥ DDP-4阻害薬 血糖値が上がる際に食後のインスリン分泌を促す『インクレチン』というホルモンの分泌の分解を防ぐことで、食後の血糖値上昇を防ぐ薬剤です。
⑦ SGLT2阻害薬 腎臓の中で糖分が再度吸収されるのを防ぎ、尿の中に糖分を出して、排泄することで血糖値を下げる薬剤です。

参考文献:南江堂 糖尿病診療ガイドライン2019

脂質異常症

脂質異常症とは血液中の「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が増えたり、「善玉」のHDLコレステロールが減ったりした状態のことを言います。この状態を放置していると動脈硬化が起こり、ゆっくり進行し、脳梗塞や心筋梗塞といった動脈硬化性疾患をまねくリスクが高まります。
脂質異常症の発症には、過食、運動不足、肥満、喫煙、過度な飲酒、ストレスなどが関係していると言われています。「内臓脂肪型肥満」ではLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。また、遺伝性の「家族性高コレステロール血症」と呼ばれているものもあります。

脂質異常症の診断はどうなっていますか?
10時間以上の絶食を行って空腹時採血を行って診断をします。
LDL(悪玉)コレステロール140㎎/dl以上(Non-HDLコレステロール170㎎/dl以上)、HDL(善玉)コレステロール40mg/dl未満、トリグリセライド(中性脂肪)150㎎/dl以上の場合、診断を行います。
なぜなるのでしょうか?
遺伝素因、食習慣の欧米化、運動不足、肥満(特に内臓脂肪型)などを原因として発症します。また喫煙による善玉コレステロールの低下もあります。
脂質異常症だと病気のリスクってどうなりますか?

35歳~74歳までの方は吹田スコアを使用します。このスコアは心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクがどれくらいあるかを見るものです。

65歳以上75歳未満の高齢者では高LDLコレステロール血症が冠動脈疾患の重要な危険因子となっています。
スタチン製剤による治療で、冠動脈疾患や脳梗塞の一次予防ができることがわかっています。

食事で何に気を付ければいいですか?
肉の脂身や動物脂(牛脂、ラード、バター)、乳製品を抑え、魚・大豆の摂取を増やしましょう。
野菜、海藻、きのこの摂取を増やし、果物を適度に摂取してください。
治療薬はどんなものがありますか?
薬剤名 作用機序
① スタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬) 肝臓でのコレステロールの産生を抑え、悪玉コレステロールの受け皿を増やすことにより血液中の悪玉コレステロールを下げる薬です。
一番悪玉コレステロールを下げる効果が強い薬剤です。
② フィブラート系薬剤 肝臓での中性脂肪の産生を抑え、胆汁(脂肪の分解酵素)のコレステロールの排泄を増やすことで、肝臓や血液内の中性脂肪やコレステロールを下げる薬剤です。
③ 陰イオン交換樹脂 コレステロールは腸から再度吸収されます。この薬剤は胆汁と結合する事で再吸収を抑えます。
これにより肝臓と血液中の悪玉コレステロールが下がります。
④ ニコチン酸誘導体 中性脂肪の分解を促進させ、中性脂肪を下げます。コレステロールの排泄も促進させる効果があります。
⑤ ω‐3脂肪酸製剤 イワシやサバなどに含まれる成分であり、中性脂肪を抑える薬です。血小板の凝集を抑える効果もあります。
⑥ 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬 腸管からのコレステロール吸収を阻害することで悪玉コレステロールを下げる薬です。

参考文献:日本動脈硬化学会『脂質異常症ガイド2018年版』より抜粋

高尿酸血症・痛風

高尿酸血症・痛風

尿酸値はいくつ以上が病気なのですか?
血清尿酸値が7.0㎎/dl以上です。
どのくらいの頻度で痛風って起こるのですか?
外来患者様の約5%に痛風が認められています。
高尿酸血症ってどんな悪さをするの?
腎機能障害、痛風、尿路結石になる可能性があります。尿酸値が1mg/dl上昇すると、慢性腎疾患の発症が1.22倍となると言われています。
また、尿量の低下や持続する酸性尿、尿中尿酸排泄量の増加によって、尿路結石ができることがわかっています。
痛風ってどう治療するのですか?

痛風は尿酸―ナトリウム(MSU)結晶が関節内に付着することで起こります。治療法としては非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、グルココルチコイドがあります。

① NSAIDsとしてはナイキサン®などが主に使用されます。
② コルヒチン®に関しては発作時から12時間以内の投与が望ましく、低用量で使用することが推奨されています。
③ 経口グルココルチコイドは短期間の高容量投与が推奨されています。
専門的な見解が必要なので医師に相談をしましょう。

治療しても痛風になるって本当?
尿酸降下薬で治療を開始した初期に血中の尿酸値が急激に低下することで、関節内に沈着しているMSU結晶が関節内に剥離することによって生じます。
発作時の対処としては痛風の治療に準じます。尿酸降下薬で治療を行うことで、関節内のMSU結晶は徐々に消失します。
痛風予防のためにも継続して治療を行う事が重要です。
高尿酸血症の治療って?
高尿酸血症のタイプは尿酸産生過剰型、尿酸排泄低下型、混合型に分かれます。尿酸産生過剰型には尿酸産生抑制薬としてアロプリノロール®、フェブリク®、トピロリック®などを使用します。尿酸排泄低下型にはユリノーム®、ユリス®などを使用します。
治療の目標値はいくつですか?
6.0㎎/dl未満となります。当院では院内採血で当日結果が出るため、治療の必要性の判断や治療効果判定、薬物調節などが可能です。
食事は何に気を付けたらいいですか?
レバー、干物、白子、アンコウ、健康食品(核酸(DNA・RNA)、クロレラ、ロイヤルゼリーなど)、カツオ、マイワシ、エビ、ビールなどの摂取を控えることが必要です。

参考文献:日本痛風・核酸代謝学会『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』より抜粋

動脈硬化

高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症といった生活習慣病の影響で動脈硬化は進みます。最終的には脳梗塞や心筋梗塞へと繋がります。
当院ではABIという検査を行えます。この検査では、寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。
動脈の硬さやつまり、血管年齢を測定することが可能です。

花粉症・アレルギー性鼻炎

止まらない鼻水、鼻づまり、くしゃみの三大症状です。
メカニズムとしては、次のような事が起こっています。ほこりやスギ花粉などの抗原(=アレルゲン)が鼻の粘膜に付着すると、抗原だけに反応するIgE抗体という物質が作られます。このIgE抗体がアレルギーを起こす細胞の表面に結合します。
抗原が内部に侵入すると、種々の化学伝達物質が放出されます。この物質が血管の拡張を引き起こした結果、鼻づまりを起こし、粘膜に分布する神経に作用してくしゃみを引き起こします。目のかゆみや充血といった眼の症状も同様のメカニズムで引き起こされます。

種類 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
ハンノキ科
スギ科
ヒノキ科
イネ科
ブタクサ属
ヨモギ属
カナムグラ
  • 多い
  • やや多い
  • 少ない
治療方法はなんですか?

抗ヒスタミン薬の図

① 抗ヒスタミン薬…アレルギー反応に関与するヒスタミンをブロックします。

② 抗ロイコトリエン薬…鼻づまりの原因になるロイコトリエンという物質をブロックします。(オノン®、シングレア®など)

点鼻薬について

1)ケミカルメディエター遊離抑制剤 2)抗ヒスタミン薬点鼻 3)ステロイド点鼻の3種類があります。

1)インタール点鼻薬®
安全性が非常に高く、授乳中・妊婦さんにも用いることが可能です。しかし、効果発現は2週間を要します。

2)リボスチン点鼻薬®、ザジテン点鼻薬®
ステロイドを含まないという点では優れていますが、内服薬が多く出ているため、使用頻度は減っています。

3)アラミスト点鼻薬®、ナゾネックス点鼻薬®、エリザス点鼻薬®、フルナーゼ点鼻薬®
アラミスト点鼻薬®やナゾネックス点鼻薬®は噴霧した部分にのみ作用し、ステロイド成分が血液にほとんど入らないため、副作用が少ないという特徴があります。1~2日間で効き始め、2週間程度で効果を発揮します。

アレルギー性結膜炎に対しては、ケミカルメディエター遊離抑制薬(インタール点眼液®など)、第2世代抗ヒスタミン薬(ザジテン点眼液®など)、副腎皮質ホルモン(フルメトロン点眼液®など)を使用します。

便秘症

どうなったら治療すればいいですか?
週に3回以上便が出ない人は腹部膨満感や腹痛、硬便による排便困難に悩む事が多いです。
排便時に4回に1回より多い頻度で、排便困難感や残便感を感じる人は、治療介入が必要であるという疫学データがあります。
診断基準ってありますか?
便秘の診断基準
  • ① 排便の4分の1超の頻度で、強くいきむ必要がある。
  • ② 排便の4分の1超の頻度で、兎糞状便または硬便である。
  • ③ 排便の4分の1超の頻度で、残便感を感じる。
  • ④ 排便の4分の1超の頻度で、直腸肛門の閉鎖感や排便困難感がある。
  • ⑤ 排便の4分の1超の頻度で、用手的な排便介助が必要である。
  • ⑥ 自発的な排便回数が、週に3回未満である。

①~⑥が2項目以上満たす場合を便秘症と言います。

食事療法はどうしたらいいですか?
食物繊維摂取量を18~20g/日が必要です。
薬での治療はどのようなものがありますか?
薬剤名 作用機序
① 酸化マグネシウム®、マグミット® 腸内に水分を引き寄せ、便を軟化させます。
便増大による刺激で間接的に腸の運動が活発になり、便通が良くなります。
② グーフィス® 腸の回腸末端部にある胆嚢から出る胆汁という消化酵素を再吸収する部分に働き、胆汁の再吸収を抑制します。
これにより大腸管腔内に流入する胆汁酸を増加させ、腸での水分分泌を促し、消化管運動を促進させます。
③ アミティーザカプセル® 小腸にはクロライドチャネルと呼ばれる腸液の分泌に関わる受容体が存在します。
このクロライドチャネルを活性化し、小腸内の水分分泌を促して便を柔らかくします。
④ モビコール配合内用剤® 本剤の成分である高分子量化合物のポリエチレングリコールを投与することで、浸透圧により腸管内の水分量が増加します。
その結果、便中の水分量が増加し便が軟化、便容積が増大する事で生理的に大腸の蠕動運動が活発化し排便が促されます。
⑤ センナシド®、アローゼン® この物質は腸内細菌によって分解され、大腸を刺激する物質へと変換されます。
これがきっかけとなり、大腸の運動が活発になります。その結果、便が肛門側へ押し出され、排便が促されます。

下痢症(感染胃腸炎を中心に)

ウイルス性腸炎

『気持ち悪い』『吐いてしまう』『水のような下痢が3回以上出る』この3つが揃えばウイルス性腸炎です。
代表的なウイルスとしてはノロウイルス、ロタウイルスなどがあります。通常は抗生剤の必要はありません。

細菌性腸炎

加熱処理が不十分など汚染された食品の摂取により起こる食中毒も含まれます。夏期には特に注意が必要です。鶏肉や食肉につくサルモネラ菌、鶏肉が主体であるカンピロバクター菌、魚介類が原因となる腸炎ビブリオなどがあります。また毒素が原因で発症するものがあり、ブドウ球菌や病原性大腸菌(O157)などが有名です。

感染性腸炎は一般的には自然治癒傾向が強いため、治療の原則は対処療法(整腸剤や漢方薬など)を行い、抗生剤が必要なことは少ないです。下痢は体が体外に菌を排出するために起きる現象です。下痢止めや鎮痙薬は腸管内の菌の滞在時間を長くし、毒素の吸収を助長することがあります。逆に症状が長引くため、下痢止めや鎮痙薬は原則的に使用しません。

一方、長引く下痢症としては薬剤性下痢症(抗生剤や胃薬など)や過敏性腸症候群、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病があります。

過敏性腸症候群はストレスにより腹痛やお腹の張り、定期的に便秘と下痢を繰り返すなどが特徴です。内視鏡検査では異常が見られません。
潰瘍性大腸炎は大腸に慢性的な炎症が起こる病気で、クローン病は口腔から肛門周囲までの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こる病気です。長期間の下痢や腹痛が続いたり、発熱や血便が出ることがあります。内視鏡検査が必要であり、専門的な治療が必要となります。

風邪(症候群)

風邪

“風邪”と一言で言っても、様々な症状があります。一般的には「ウイルスによって起こり、自然軽快するもの」と定義されています。急性咽頭炎や急性扁桃炎、急性気管支炎などが多いです。“ただのかぜ”であれば、治療を行わなくても症状が改善します。しかし、長引く場合は『“ただのかぜ”だから…』と安易に考えず、受診しましょう。

1.普通感冒

多くはウイルス性感染で、原因としてはライノウイルスが一番多いです。咳、鼻、喉の3つの症状が『同時』『同程度』に出現します。抗生物質は基本的には必要ありません。各々の症状に対して対症療法を行います。

2.急性咽頭炎・扁桃炎

咽頭痛を主症状とします。大部分がウイルス性で、細菌性は全体の10%と言われており、A群β溶連菌が15~30%、C群β溶連菌5%となっています。喉の拭い検査を行い、溶連菌感染であった場合は抗生物質が必要となります。溶連菌の場合には腎機能障害が出る可能性があるため、注意が必要です。

3.伝染性単核球症

EBウイルスとサイトメガロウイルスなどが原因で起きる病気です。発熱、咽頭痛が主体で、リンパ節腫脹や脾腫、軟口蓋における点状出血などが特徴的と言われています。血液検査でリンパ球が優位になったり、異形リンパ球が出現したり、肝機能障害などがあることを確認すれば診断が可能です。また、皮疹が20%で出現することがあります。

4.気管支炎

咳が主体で、痰や発熱の有無は問いません。3週間未満を急性、3~8週間を遷延性、8週間以上を慢性とします。3週間以内では急性気管支炎、肺炎など、3週間以上では後鼻漏(鼻汁が咽頭後壁に垂れ込む)、咳喘息、胃食道逆流(GERD)などが原因とされています。それぞれの病気を問診と診察で鑑別して治療を行います。

5.急性副鼻腔炎

くしゃみ、鼻水、鼻閉が主症状となります。顔や歯の痛み、膿性鼻汁が7日以上継続している場合は、細菌感染として抗生物質の投与を行います。7日間以内であれば細菌性の可能性は少なく、ウイルスが原因であることが多いです。必要があればレントゲンを撮影する場合もあります。

6.細菌性肺炎

38℃以上、脈拍100回/分以上、呼吸数24回/分以上の場合や聴診で肺雑音が聞こえた場合は、胸部レントゲンが必要となります。肺炎像があれば肺炎の診断となります。高齢者に起きやすい誤嚥性肺炎の場合は、レントゲンで判断が難しい場合もあり、胸部CTを行う場合があります。また、院内採血で重症度の判断も可能です。

参考文献:日本医事新報社『かぜ診療マニュアル第2版』より抜粋

膀胱炎

膀胱炎ってなんですか?
主として尿道から細菌が膀胱内に侵入し感染を起こす病気です。細菌が膀胱から尿管を通り、腎臓に達すると血液内に細菌が侵入し、腎盂腎炎となることもあります。
膀胱までの道のりが男性よりも女性の方が短く、また膣といった細菌が繁殖しやすい場所が近くにあるため、女性に多いのが特徴です。
男性の場合、前立腺肥大、尿路結石などの合併症がある可能性が高いため詳しい検査が必要となります。
どんな症状がでますか?
普段よりも明らかにトイレが近い(頻尿)、排尿時(特に排尿の最後)に下腹部の痛みが出る、残尿感、血尿、尿が濁るなどがあります。
診断はどうするのですか?
自覚症状の確認や当日院内の尿検査や採血などを行い診断します。
治療方法は?
ほとんどの膀胱炎は大腸菌などの細菌感染症であるため、7~10日間程度の抗生物質の内服が必要です。自覚症状は治療を始めて3日ぐらいでよくなることが多いです。
しかし、症状がよくなったからといって治療を自己中断すると、膀胱内に残っている細菌が繁殖し再度悪くなってしまいます。
また、抗生剤に耐性ができることで難治性となることがあるため、症状が良くなってもきちんと服用することが重要です。
膀胱から細菌を洗い流すためにも、飲水を細目にすることは大切な治療となります。
予防方法ってありますか?
膀胱炎になった場合は、生活習慣や身体の状態が膀胱炎にかかりやすい状況になっていることが多いです。
仕事などでトイレに行かない、飲水が少ない、陰部周囲の清潔さが保てないなどがあります。このような場合は生活習慣や身体状況を整える必要があります。

インフルエンザ

インフルエンザ

インフルエンザの潜伏期間は平均2日間(1~4日間)と言われています。症状としては38℃~40℃の発熱、強い筋肉痛や関節痛、強い倦怠感などがあり、急激に症状が出るのが特徴です。
特徴的な所見としてインフレンザ濾胞というものがあります。のどの奥を見ることで確認できる場合があります。

インフルエンザの検査が陰性であっても流行期であれば60.6%の方がインフルエンザの可能性があります。
医師の判断でインフルエンザの可能性が高いと判断した場合には陰性であっても投薬を行う事があります。治療法としてはインフルエンザ専用の内服薬や吸入薬、点滴があります。

健康な人であれば、その症状が3~7日間続いた後、治癒に向かいます。
子どもやご高齢の方は気管支炎や肺炎などの合併症を発症しやすく、重症化すると脳炎や心不全になる場合もあります。
インフルエンザウイルスには強力な感染力があり、いったん流行すると、年齢や性別を問わず、多くの人に短期間で感染が広がります。
二次感染、合併症の予防のために、できるだけ早く受診することが大切です。

気管支喘息

気管支喘息

最近の調査では気管支喘息の患者様は400万人を超えており、年々増加傾向です。
過去に小児喘息の方の場合、成人になって再発するケースは3~4%といわれています。

喘息の発症要因として、たばこ、ダニ、ハウスダスト、花粉、ペットといったアレルゲンに加え、ここ最近では家屋構造の変化によるアレルゲンの増加、排気ガスや工場排煙などによる大気汚染、食品や住宅建材などの化学物質、長時間勤務による過労やストレスが増えたことなどが喘息を発症させる要因と考えられます。

喘息は、症状がないときも慢性的に気道に炎症が起きており、炎症がある気道に刺激が加わると、気道が狭くなり、痰などの分泌物が増えます。
この状態が慢性化すると突然の咳き込みや呼吸をするたびにゼイゼイ、ヒューヒューといった音がする喘鳴、息苦しくなるといった症状が起こります。
発作は治療によって通常は数分から数時間でおさまりますが、激しい発作が長く続くと危険な状態になる場合もありますので、普段から治療を継続することが大切になります。必要に応じてその場で吸入や点滴を行います。

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